つのの細道(マレーシア)

  





 成田から約7時間のフライトで到着したKLは、えらい都会でした。
 道は整備され、高層ビルが立ち並び、美しい街並です。
 治安も良く、ゴミも落ちていません。意外に住み易そうな街でした。

 マレーシアは、多民族国家です。
 65%がマレー人で、25%が中国人。インド人も8%います。
 1965年に華僑をシンガポールに追い出した歴史があるので、
 実際は、マレー人の国といえるでしょう。
 マレー人には権力があり、華僑はお金持ちです。
 ところが、インド人だけは貧しいので、どうも、平等ではないようです。

 公用語はマレー語です。英国の植民地だったので、英語も日常的に使われています。
 信仰は自由ですが、イスラム教が国教です。
 そのため、アジアであって、アジアでない雰囲気がありました。
 丸ドームのモスクがあちこちにあり、人々は時間になると仕事を止め、
 メッカの方向を向いて、お祈りします。
 1ヵ月間、断食をする「ラマダン」という習慣もあります。

 また、「目には目を。歯には歯を。」という考え方がまかり通っていて、
 交通事故で相手を傷つけてしまうと、その家族が仕返しに来ることがあります。
 だから、車を乗り捨てて、すたこらさっさとその場から逃げるのが通例です。
 復讐の猶予は24時間なので、24時間後に事故現場に現れて、
 ぼちぼち事故処理をするそうです。

 人々は戒律的で、わいせつなビデオはおろか、書物の販売も、禁止されています。
 男性は4人まで奥さんを持てます。けれど、女性の不倫は許されません。
 不倫した女性を殺しても、罪はとても軽く、無罪になることもあります。
 また、どんな理由で離婚する場合も、財産分与は無しです。
 だから、女性は24金を買ってもらい、いつも全財産をつけて歩いています。

 でも、おかしなことに、日常生活では女性は強く、かかあ殿下です。
 ほとんどの家庭は共働きで、男性は家事に協力しています。
 複数の奥さんを平等に扱わなくてはならない義務もあります。
 日本人とは全く違う、一夫多妻制の妙ですね。

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